「住みにごり」 – 家族の暗部を描く、新感覚ホームドラマ

ヒューマンドラマ
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「住みにごり」は、たかたけしによる独特の世界観を持つ漫画作品です。29歳の末吉が夏休みを利用して久しぶりに帰省した実家は、何とも言えない不穏な空気に包まれていました。家族の中心には、35歳にもなって何年も働かず、ほとんど言葉を交わすことのない無職の兄、フミヤがいます。

ストーリーと登場人物

この物語の主軸は、フミヤとの奇妙な関係性と、彼を取り巻く家族の日常生活です。末吉は東京での生活が厳しくなり、実家への帰省を機に自身の今後を考え直そうとしています。しかしその実家は、かつての暖かな記憶とはかけ離れた場所へと変わっていました。兄のフミヤは、異様なほどの孤独と沈黙を守り続け、家族内での彼の存在はまるで「怪物」のよう。末吉とフミヤの関係は、ほとんど会話がないまま何十年もが過ぎています。

  • 末吉 (すえきち): 西田家の次男で29歳。東京で一人暮らしをしており、社会人になってからは親に仕送りをしながら生活している。兄のフミヤとは何十年も会話をしておらず、彼に対して不気味な感情を抱いている​​。
  • フミヤ: 西田家の長男で、15年以上働いていないニート。寡黙でほとんど喋ることがなく、友達もいない。太っており、あまり身なりを気にしない。特徴的な髪型と、首の伸びたTシャツを着用。食に関してはうるさく、不満があると首を傾げる​。
  • 長月 (なつき): 西田家の長女。少し挑戦的でサバサバした性格。時々実家に戻ってくる。末吉に対して、もっと兄フミヤと会話をするよう促す​。

物語の見どころ

「住みにごり」の特筆すべき点は、一見すると平凡な家族の日常に潜む不気味さと緊張感です。作者は、家族という親密な関係性の中にある微妙な距離感や、言葉にならない想いを巧みに描き出しています。特にフミヤのキャラクターは、彼の奇妙な行動や独特の存在感が物語に深みを与え、読者に強烈な印象を残します。また、末吉の家族への複雑な感情や、彼らとの関わり方が物語を通じて徐々に変化していく様子も見逃せません​。

作者について

たかたけしさんは、2019年に「ヤングマガジン」で連載された『契れないひと』で漫画家デビューを果たしました。その後、2021年には小学館「ビッグコミックスペリオール」で『住みにごり』の連載を開始し、この作品で大きな注目を集めました​。

彼は他人の実家の話を聞くことが好きで、その奇妙な部分を作品に反映させています。『住みにごり』では、彼自身の家族のエピソードも作品に織り交ぜており、特に父親のキャラクターには自身の実家での体験が反映されています。たかたけしさんは、キャラクターたちが持つ多様な側面を重視しており、人間が本来持っている奇妙さを表現しています。

彼は徳島県出身で、大学は岡山県の田舎にある大学に進学したとされていますが、具体的な大学名は不明です。退学後、愛媛県で教材の営業を経験し、その後は徳島と東京でコンビニのバイトをしながら漫画家を目指しました。38歳でコンクールに入賞し、40歳で漫画家としてデビューしました​。

たかたけしさんの作品には、彼の個性的な家族観や人間観が反映されており、読者に新たな視点を提供しています。

総合評価と推奨

「住みにごり」は、ただの家族ドラマにとどまらない、深い心理描写と人間関係の探求を特徴としています。この作品は、家族というものの本質に迫り、その中での個々人の孤独や絆を描き出しています。家族の中に潜む「怪物」をテーマにしたこの物語は、日常の中に隠された闇を感じさせます。家族間の複雑な関係性や人間心理に興味がある読者には特におすすめの作品です。

たかたけしの作家としての鋭い洞察力と、家族というテーマに新たな光を当てる彼の表現力は、読者に深い印象を与えることでしょう​​。

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